オレの宝物。それは君の笑顔【完】
「部活サボって、女と会ってたのか?」

「…………」

「そんなに女と会いたいなら、部活やめちゃえば? 富沢みたいに」

「……いえ」

「やめないのか?」

「はい」

「だったら、別れろ」


予想どおりの展開だった。


「本気でサッカーやるなら、別れろ」


こう言われることはわかっていたのに、即答できなかった。


「今日は帰れ。そんで、別れるまで練習には来るな」


それだけ言うと、工藤センパイはオレに背を向けて練習を始めてしまった。

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