オレの宝物。それは君の笑顔【完】
グランドを後にし部室に向かうオレを、裕太たちが追いかけてきた。


「どうなってるんだよ」

「主将にハメられた」


自分の推測を交えつつ、オレはこの状況を説明した。


「……それで、どうするんだよ」


裕太たちは数秒黙り込んだ後、心配そうにオレを見た。


「どうするって……」


正直、オレは揺れていた。


だが、


「サッカー……やめるのか?」


あまりに心配そうなみんなの顔に、オレの決意は固まった。


「やめるわけねえだろ。『全国』目指してずっとやって来たんだぜ」

「だけど……北原は?」

「オレは、トミとは違う」

「…………」

「おまえら、もう、戻れ。センパイたち、見てるぞ」


まだ何か言いたそうにしていたが、みんなはグランドに戻って行った。

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