オレの宝物。それは君の笑顔【完】
<加納響子>
夜、ベッドに寝転んで少女マンガを読んでいるとノックに続いて、
「響ちゃん、入っていい?」
弱々しい香奈の声。
この時間は、ピアノ室でおだっちと会っているはずなのに。
私はちょっとイヤな予感がした。
「いいよ」
私の返事を待って入って来た香奈の目は、泣き腫らした後。
「どうしたの?」
私はベッドから飛び起きた。
「貴文が……別れてほしいって」
「え、嘘ッ、なんでっ?!」
「わからない。理由、言ってくれないの」
香奈は消え入りそうにつぶやくと、泣き出してしまった。
おだっち――ううん、もう、そんなのん気な呼び方はしていられない。
織田! 大バカヤロー!
いったい、どういうつもりよ。
香奈を泣かせるなんて。
夜、ベッドに寝転んで少女マンガを読んでいるとノックに続いて、
「響ちゃん、入っていい?」
弱々しい香奈の声。
この時間は、ピアノ室でおだっちと会っているはずなのに。
私はちょっとイヤな予感がした。
「いいよ」
私の返事を待って入って来た香奈の目は、泣き腫らした後。
「どうしたの?」
私はベッドから飛び起きた。
「貴文が……別れてほしいって」
「え、嘘ッ、なんでっ?!」
「わからない。理由、言ってくれないの」
香奈は消え入りそうにつぶやくと、泣き出してしまった。
おだっち――ううん、もう、そんなのん気な呼び方はしていられない。
織田! 大バカヤロー!
いったい、どういうつもりよ。
香奈を泣かせるなんて。