オレの宝物。それは君の笑顔【完】
「聞いたわよ」
織田の家の前で、帰って来たところをつかまえた。
「だろうな」
「織田が別れようって言った理由、香奈に聞かれて、織田に他に好きな人ができたからだって答えといた。
そうとでも言わなきゃ、織田のこと、あきらめられないだろうから」
「…………」
「でも、香奈、信じないんだよ。
織田のことあきらめられなくて、ずっと泣いてるんだよ。
香奈を泣かせたままで、平気なの?」
「……香奈なら、大丈夫だよ」
「なんでそんなこと言えるのよ。どういう状況か見てもないくせに」
「だって、香奈にはピアノがあるじゃん」
「その大好きなピアノも、ぜんぜん手につかないの。やめちゃうかもしれない」
これは、ウソ。
ほんとは、別れようと言われた翌日から、ピアノ室にこもって憑かれたようにピアノを弾いてた。
織田の家の前で、帰って来たところをつかまえた。
「だろうな」
「織田が別れようって言った理由、香奈に聞かれて、織田に他に好きな人ができたからだって答えといた。
そうとでも言わなきゃ、織田のこと、あきらめられないだろうから」
「…………」
「でも、香奈、信じないんだよ。
織田のことあきらめられなくて、ずっと泣いてるんだよ。
香奈を泣かせたままで、平気なの?」
「……香奈なら、大丈夫だよ」
「なんでそんなこと言えるのよ。どういう状況か見てもないくせに」
「だって、香奈にはピアノがあるじゃん」
「その大好きなピアノも、ぜんぜん手につかないの。やめちゃうかもしれない」
これは、ウソ。
ほんとは、別れようと言われた翌日から、ピアノ室にこもって憑かれたようにピアノを弾いてた。