オレの宝物。それは君の笑顔【完】
「もう、オレは、香奈の涙、拭いてやれないから……」


オレは、未練を断ち切る思いで香奈から手を離した。


「……ほんとに……もう、終わりなの?」


まだ涙の残る澄んだ瞳でオレを見つめる、香奈。


「……もう……逢えないの?」


ふたたび、涙がこぼれたが。


今度は目を逸らさずに、オレは言った。


「ごめんな」








……明日。オレは。


サッカーをするために生まれ変わる。

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