オレの宝物。それは君の笑顔【完】
「ま、別れちゃったものはしょうがない。問題は、これからよ」

「え?」

「終わった恋の忘れ方。……わかる?」

「……さあ」

「新しい恋、よ」


加納はオレをまっすぐに見た。


新しい、恋――?


もしかして、オレとの?


「チーズケーキも食べていい?」

「え?」

「香奈の情報、教えてあげる」

「……どうぞ」




2個目のケーキが運ばれてくると、


「平日の7時半頃、ピアノから帰って来るから、駅の東口改札で待っててごらん」


加納は満足そうにケーキを頬張った。

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