オレの宝物。それは君の笑顔【完】
オレは「友達」として、事実上の告白もなかったかのように香奈ちゃんに接した。




次の日もその次の日も、さらにその次の日も、ずっと――。




夏休みもほぼ毎日補講があったので、オレは「友達」の上級者になっていた。




2学期が始まると、オレや加納、他のクラスメートの冗談に、香奈ちゃんは笑顔を見せるようになってきた。


まだ、以前のような幸せいっぱいの微笑みではないものの。


香奈ちゃんの心の重い扉は、確実に開きつつあった。

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