オレの宝物。それは君の笑顔【完】
秋分の日には市内のサッカー大会があり、東高は、一回戦敗退。


「ミスドでも行かない?」という洋人たちの誘いを断って。 


オレは、香奈ちゃんの家へやって来た。


今日は、香奈ちゃんの誕生日。


香奈ちゃんのために選んだ、ピアノ曲のCDをプレゼントしたかったのだ。


「誕生日おめでとう。

これ、よかったら、聴いて。

ピアノ曲のCDなんだ。北原が気に入りそうだと思って。

……ピアノ曲なんて、クラシックしかないかと思ったら、いろいろあるんだね」


オレが差し出した、誕生日プレゼント。


「……でも」


香奈ちゃんは受け取ることを躊躇しているようだったが、


「友達だもん、誕生日のプレゼントくらいするでしょ」


オレが「友達」を強調すると、


「……ありがとう」


小さな微笑みを浮かべてくれた。

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