オレの宝物。それは君の笑顔【完】
「あ、来た来た。シバと北原、ちょっとこっち来てくれ」


翌々日(翌日は文化祭の代休)学校に行くと、丈治が香奈ちゃんとオレを呼び、


「今日から、2人の席はここだから」


一番後ろの席を示した。


「……ここだからって、勝手に席替えてもいいのかよ」

「いいって、いいって。オレが許す」

「おまえ、いつからそんなに偉くなったんだよ」

「いいから早く座れよ。ほら、北原も」


丈治は香奈ちゃんの腕をつかんでオレの隣りに座らせた。


「この席なら、手、つないでても気づかれないからさ」


丈治はオレたちをからかったが、香奈ちゃんと隣りの席になったのは1年生の1学期以来。


ふと横を見れば香奈ちゃんがいて。


そして、時々、香奈ちゃんの瞳と出会う。


ここはやはり、お節介な丈治たちに感謝しておくべきだろう。

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