オレの宝物。それは君の笑顔【完】
目標に向かって努力してる姿――。


加納と別れた後も、その言葉を反芻した。


……目標。


目標……?


考え抜いて、やっとひとつ思いついた。


毎年1月末にマラソン大会がある。


マラソンは別に好きではないが、昨年は、学年の男子約200人中12位だった。


気合を入れて今から走り込めば、優勝も夢ではないだろう。


――マラソン大会で優勝する。


その目標に向かって努力して達成することが出来れば、自分に自信が持てるようになるはず。




――決めた。




絶対に優勝して、香奈ちゃんに告白する。




それからオレは、今までしたことのなかった努力を始めた。


朝は早く起きて家の近所を走り。


放課後は「陸上部の部室は、隣りだぞ~」などと丈治たちにからかわれながら、学校の周りを走った。

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