オレの宝物。それは君の笑顔【完】
マラソン大会当日。


体調は、万全。


身体もフットワークも、軽い。


オレには優勝する自信があった。




折り返し地点。


オレは、トップを独走中。


少し後ろに陸上部の大塚がいたが、優勝への自信は揺るがない。




校門をくぐって、香奈ちゃんの姿を探す余裕さえあったのに……。


校庭のトラックのラスト1周で、大塚が急にペースを上げてきて。


オレは、無残にも地面に張り付いていた。


焦るあまり、足がもつれて転んでしまったのだ。




結果は、2位-―。


優勝は、できなかった。

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