オレの宝物。それは君の笑顔【完】
教室に戻ると、丈治と加納がオレの戻るのを待っていて、


「ちょっと、なによ、さっきの態度」


加納に詰め寄られた。


「あれじゃ、香奈が可哀想じゃない」


そんなこと、言われなくてもわかってる。


だけど、オレだって――。


「優勝するより大事なこと、ちゃんとできたじゃん。

それなのに一番大切なもの、あきらめちゃうわけ?」


「…………」


「いつまでも、いじけてんじゃないわよ。

はっきり言って、今のあんたはカッコ悪すぎる。最低よ」


「おい、言い過ぎだぞ」


丈治が止めに入ったが、加納に怒鳴られて目が覚めた。

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