オレの宝物。それは君の笑顔【完】
それから、すぐに、香奈ちゃんを電話で呼び出した。


香奈ちゃんの家の近くの公園。


もう、香奈ちゃんは来ていた。


誰もいない公園の積もったばかりの雪の上には、香奈ちゃんの足跡だけ。


その足跡に沿うように、香奈ちゃんのもとへと歩いた。


「今日は、ごめん」


真っ白な雪の中に佇む香奈ちゃんの顔を、ちゃんと見て謝った。


2週間ぶりにまともに見る、香奈ちゃん。


雪のように白く透きとおった頬は、寒さのせいかほんのり桜色に染まっていた。


「オレ、……北原が好きだ」


香奈ちゃんの潤んだ瞳をまっすぐに見て、あふれる想いを言葉にした。


「オレ、カッコよくないかもしれない。

でも、北原のこと好きだっていう気持ちだけは誰にも負けないから」


そう。

織田にも。

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