オレの宝物。それは君の笑顔【完】
「オレが――絶対忘れさせるから」


オレたちの視線が交わって。


「オレの……カノジョになって」


深々と降る、雪。


言葉もなく、ただ、オレたちは見つめ合っていた。


オレの腕にうっすらと雪が積もり――。


香奈ちゃんが、ゆっくりとうなずいた。


街は、白い雪。


静かに微笑む香奈ちゃんに、オレの頭の中も、真っ白。


「……風邪、ひいちゃうよ」


傘を差しかけてくれた香奈ちゃんの、桜色の頬。


それは、決して、寒さのせいだけじゃ、ないはず。

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