オレの宝物。それは君の笑顔【完】
久々の再会ということで、見舞いの後、5人で近くのファミレスに入った。


「香奈ちゃ~ん、なんで、髪、切っちゃったのよ~」

「え?」

「香奈ちゃんの髪、すっごいキレイなんだもん、もったいないよ~」


香奈は言葉に詰まったようだが、話好きの土居は返事を待たず、


「まあ、でも、香奈ちゃんはどうしたってキレイだからね。

東高って男子が多いからモテモテでしょ。

こんなキレイなカノジョ持って、織田も大変だね~」


今度はオレを困惑させた。


「バカ、そんなくだらないこと聞くなよ。ノロケられるだけだぞ」

「それもそうね。じゃあ、今の愚問は取り消すわ」

「ところで、響子はどうしたのよ」

「響ちゃんは、バレー部の合宿で来られなかったの」

「北原と加納、同じクラス?」

「うん」

「香奈ちゃんのそばには、相変わらず、響子がいるのね~。あ、あと、織田も」


土居がオレの名を付け足すと、少しの間を空けて、


「私たち、別れたの」


香奈がポツリと言った。

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