オレの宝物。それは君の笑顔【完】
オレは店を出て、香奈に追いついた。


香奈にはカレシがいるが、友達として送って行くことぐらいは許されるだろう。


「送ってくよ」

「……でも」

「大丈夫。香奈にカレシができたことは知ってるから」


半ば強引に香奈の隣りを歩き始めた。


つき合っていた時、並んで歩くときはいつも手をつないでいた。


でも、今は。


香奈はオレを避けているのか、少し距離をとっていた。


しょうがないよな。


香奈にはカレシがいるんだから。

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