オレの宝物。それは君の笑顔【完】
香奈ちゃんに応援してもらったものの、試合は惨敗だった。


だけど、これでいい。


これからが目的を果たす時。


「話があるんだ」


試合直後、織田をつかまえた。


「……話って?」

「ここじゃ言えない。一緒に来てくれ」




オレたちは校舎に入り、3階の、香奈ちゃんが待つ教室にやって来た。


黙ってついて来た織田は、香奈ちゃんを目にするとオレを睨んだ。


「なんのマネだよ」

「オレ、2人に謝らなきゃいけないんだ。北原の誕生日、織田に嘘をついたこと」


織田はもう知っていたのか平然としていたが、香奈ちゃんは戸惑いがちにオレを見ていた。


「北原の誕生日。オレが北原にCD渡して帰る時、織田と会ったんだ。

多分、織田は北原に会いに行こうとしてたんだと思う。

……そうだろ?」

「ああ」

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