オレの宝物。それは君の笑顔【完】
「ねえ、これ、つけて」


そう言われてネックレスを受け取ったものの、その金具はオレの手には繊細すぎた。


香奈の首に掛けて留めようと頑張ってはみるが、なかなかうまくいかない。


しかも、香奈がオレを見つめてくるのだ。


「集中できないから下向いててくれよ」


頼んでも、香奈はオレから目を逸らしてくれない。


「……抱きしめるぞ」

「いいよ」


可愛らしく微笑む香奈に、


「バ~カ」


ますます散漫する指先。


「ふう……やっとつけられたよ」


息をつくオレを見上げて、


「似合う?」


うれしそうに微笑む、香奈。


淡い青い石が、香奈の白い胸元で誇らしげに輝いていた。

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