オレの宝物。それは君の笑顔【完】
「あのデマ流したの、加納だろ」


休み時間、オレは加納を呼び出した。


「あ、バレちゃった?」

「バレちゃった、じゃないよ。おかげでこっちはなあ」

「――他人を信じるな。大事なことは本人に聞け」

「は?」

「私が考えた『教訓』。しっかり肝に銘じておきなさいよ」

「……はあ」

「じゃあ、特別に、とっておきの情報を教えてあげる」

「え、何?」

「平日の7時半頃、駅の東口改札を張り込んでごらん。いいことが起こるかもよ」


……「張り込み」って、オイっ。


心の中でツッコミをいれる。


加納はすでにオレの前から姿を消していたからだ。

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