オレの宝物。それは君の笑顔【完】
「そういえば、タカって、好きな子とかいないの?」

「え?」

「いろんな子に告られてるのに、誰ともつき合わないからさ」


オレが誰ともつき合わないのは、それがカッコいいと思うから。


女には興味がないーー。


そういう硬派な雰囲気に憧れていたのだ。


それに、つき合いたいと思うような女子もいなかったし。


「つき合うのとか面倒くさそう。

他の女子とはしゃべらないで~、とか言われるんだろ」

「確かにね~」

「でも、オレ、北原とならつき合いたい」

「あ、ズルいぞ。オレだってつき合いたいんだから」


英治と裕太が低レベルのじゃれ合いを始めると、


「だけど、北原って、実はカレシいるらしいぜ」


北原と同じクラスのトミが、水をさした。

< 3 / 233 >

この作品をシェア

pagetop