オレの宝物。それは君の笑顔【完】
駅前のミスドに寄った後――オレはまた、サッカーを熱く語ってしまった――、そろそろ帰ろうと外に出た。


「ねえ、歩いて帰ろ」

「歩いて?」

「線路に沿って行けば大丈夫だと思うの」

「べつにいいけど」


オレたちは線路沿いを歩き始めて。


いつの間にか、手をつないでいた。




途中、広い空き地に色とりどりのコスモスが咲いていた。


「ここ、電車から見て、来てみたいと思ってたの」

「コスモス、好きなんだ?」

「うん。私、コスモスが一番好き」


幸せそうに微笑む北原の笑顔――。


オレまで、幸せな気分になっていた。

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