オレの宝物。それは君の笑顔【完】
好きなのに……
<貴文>
10月に入るとすぐ、11月後半の合唱コンクールの練習が始まった。
うちのクラスの指揮は、高野。
伴奏は、もちろん、北原。
北原のピアノが流れ出すと、教室の空気が変わった。
音楽の授業が終わり、
「ねえねえ、『BELIEVE』弾ける?」
土居――4月にカレシの写真を見せてと言った女子が、北原に擦り寄った。
「うん」
「ほんと~? お願い、弾いて~」
土居に頼まれて、北原はピアノを弾き始めた。
「香奈ちゃん、すご~い」
土居が叫んだとおり、北原のピアノはすぐに周りを惹きつけた。
あっという間に女子が集まり、
「次、『Everything』弾いて~」
休み時間ギリギリまで北原はリクエストに応えてピアノを弾いていた。
10月に入るとすぐ、11月後半の合唱コンクールの練習が始まった。
うちのクラスの指揮は、高野。
伴奏は、もちろん、北原。
北原のピアノが流れ出すと、教室の空気が変わった。
音楽の授業が終わり、
「ねえねえ、『BELIEVE』弾ける?」
土居――4月にカレシの写真を見せてと言った女子が、北原に擦り寄った。
「うん」
「ほんと~? お願い、弾いて~」
土居に頼まれて、北原はピアノを弾き始めた。
「香奈ちゃん、すご~い」
土居が叫んだとおり、北原のピアノはすぐに周りを惹きつけた。
あっという間に女子が集まり、
「次、『Everything』弾いて~」
休み時間ギリギリまで北原はリクエストに応えてピアノを弾いていた。