オレの宝物。それは君の笑顔【完】
なにが、絵になる、だ。


何も知らないくせに。


北原は高野のことなんて、なんとも思ってないんだよ。


北原が好きなのは、オレ。


……なのか?


夜、一緒に帰っているのも。 

花火大会に一緒に行ったのも。 

水族館に行ったのも。

誕生日に会ったのも。


誘ったのは、いつも、オレ。


だが、オレたちは手もつないだし。


北原はいつだってオレに笑顔を見せてくれる。


また一緒にサッカーショップに行く約束もしたじゃないか――。


必死に自分を勇気づけた。


しかし、楽しそうにピアノを弾く2人を見ると、不安になった。


北原は、高野のこと、なんとも思ってないのか? って。


2人を見れば見るほど、不安になった。

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