オレの宝物。それは君の笑顔【完】
「ところで、タカは、何してんの?」

「……スパイク買いに行こうと思って」

「マジで~? オレたちも、風花のサッカーショップに行くところなんだ~」

「え?」

「一緒に行こうよ~」


裕太に誘われて、


「え、あ、うん、いいよ」


断ることができなかった。


だって、もう、スパイクを買いに行くって言っちゃったし。


北原とのことは知られたくなかったし。


……そうするしかないじゃないか。


そんなオレの気持ちを汲んでくれたのか、


「北原も、一緒に行かない?」


正人が北原を誘った。


ナイス、正人! 


持つべき者は、よき相談者!


上がったオレのテンションは、しかし、すぐに下がった。


「……ううん」


北原が首を横に振ったからだ。

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