オレの宝物。それは君の笑顔【完】
結局、北原をその場に残し、オレは正人たちと電車に乗ってしまった。


「なんで、北原のこと誘ったんだよ」


トミに言われて、


「いや……なんとなく」


正人は言葉を濁した。


「北原が、オレたちなんかと一緒に来るはずないじゃん」

「そうだよ~。来ても話が合わないし~」

「だいたい、サッカーショップなんて、興味ないって」

「だよね~。興味があるのは、楽器屋とか図書館とか~?」


楽器屋? 図書館?


どっちもオレには無縁の場所。


裕太とトミが盛り上がるほど、オレの気分は沈んでいった。

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