オレの宝物。それは君の笑顔【完】
2人もどこかの部の朝練に参加するためにその時間に登校してきたらしく、それから毎日すれ違った。


2人の姿を見つけると、オレは深呼吸するようになった。


そうしないと、鼓動が速くなってしまうからだ。




数学の教科書を忘れてトミに借りに行った時、彼女の名前を知った。


――北原香奈。


オレとは比べものにならないぐらい、頭がよくて。


超イケメンのカレシがいる――北原。


……カレシが、……いる。


いや、北原にカレシがいてもいなくても、オレにはカンケイない。


オレは硬派に生きるんだ――。




ただ。


それからも、北原とすれ違う瞬間の鼓動の乱れは続いた。


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