オレの宝物。それは君の笑顔【完】
「続いては、『ベストカップル』で~す。

選ばれたのは、北原さんと高野くん。

北原さんはそのままで、織田くんは客席へお願いします。

では、高野君、どうぞ~」


司会者の指示など無視して。


オレは北原に歩み寄り、その手をしっかりとつかんだ。


「え~、なに~?!」

「ど~ゆ~こと~?」

「なんで織田が北原を――?」


体育館は騒然となったが。


北原とオレは静かに見つめ合った。


そして。


「――行こう」


手をつないだまま、北原を体育館から連れ出した。

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