オレの宝物。それは君の笑顔【完】
こんなふうに、時々、北原の機嫌は悪くなった。
訳がわからず、正人に相談してみると。
「……それって、柚夏子じゃない?」
「柚夏子?」
「タカ、柚夏子と仲いいだろ」
「え、なに、それってもしかして、ヤキモチってこと?」
「そう」
「いや、でも。なんで、柚夏子?」
だって、オレ、柚夏子のこと、女として見てないのに。
「……一応、アイツも女だから」
言われてみれば、機嫌が悪くなった時は柚夏子の名前が出ていたかもしれない。
それからオレはなるべく、北原の前では柚夏子としゃべらないようにし、話題も出さないよう注意していた。
それにもかかわらず、最近北原が不機嫌なのは、多分バレンタインが近いから。
その証拠に、
「好きな子からしか、チョコ、受け取らないから」
オレが言うと、
「……ほんと?」
北原の機嫌はすぐに直り、愛らしい笑顔が戻った。
訳がわからず、正人に相談してみると。
「……それって、柚夏子じゃない?」
「柚夏子?」
「タカ、柚夏子と仲いいだろ」
「え、なに、それってもしかして、ヤキモチってこと?」
「そう」
「いや、でも。なんで、柚夏子?」
だって、オレ、柚夏子のこと、女として見てないのに。
「……一応、アイツも女だから」
言われてみれば、機嫌が悪くなった時は柚夏子の名前が出ていたかもしれない。
それからオレはなるべく、北原の前では柚夏子としゃべらないようにし、話題も出さないよう注意していた。
それにもかかわらず、最近北原が不機嫌なのは、多分バレンタインが近いから。
その証拠に、
「好きな子からしか、チョコ、受け取らないから」
オレが言うと、
「……ほんと?」
北原の機嫌はすぐに直り、愛らしい笑顔が戻った。