オレの宝物。それは君の笑顔【完】
「もしかして、それ、柚夏子から?」


チョコを持って部室に戻ると、トミが目ざとく指摘した。


「え、柚夏子、ついに告ったの?」

「そりゃそうだよな~、このままじゃ、ツライもんな~」


みんなは柚夏子の気持ちに気づいていたらしい。


気づいていなかったのは、オレだけ。


「オレたちみんな、タカと柚夏子はくっつくと思ってたんだよね」

「多分、柚夏子も思ってたよ」

「それなのに、まさかの恋人発覚! だもんね~」

「あれは、キツイよな。なんてったって、『突然』だったから」

「オレたちにも言わないんだもんな~」

「……ごめん」

「んで、どうするんだよ。柚夏子のこと」

「え?」

「柚夏子の方が、タカには合ってるよ」


トミの意見に、


「オレもそう思う」

「正直、北原といる時のタカは、オレたちの知ってるタカじゃないっていうか」


その場にいた全員が、うなずいた。

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