オレの宝物。それは君の笑顔【完】
北原たちが見えない場所で花火を見上げていると、柚夏子がやって来た。


「もしかして、タカ、……北原さんのこと好きなの?」


柚夏子に言われて、


「は? 何言ってんの?」


オレは反射的に否定した。


オレが北原を好き――?


「そんなこと、あるわけねーだろ」


オレは、硬派に生きるんだ――。


「……そうだよね。北原さんにはカレシがいるもんね」

「カレシがいるとかそんなん、カンケイない。いなくても、オレは別に北原のことなんて――」


――好きじゃない。


そう続けたかったのに、先ほどのたこ焼きがこみ上げてきたせいで、オレはそれを飲み込んだ。

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