オレの宝物。それは君の笑顔【完】
「……鈴木さんからチョコ受け取ったって……ほんと?」

「……うん」

「どうして?」

「…………」

「織田くん、好きな子からしか受け取らないって言ったのに」

「…………」

「……鈴木さんのこと、好きなの?」

「ち、違うよ」

「じゃあ、返してきて」

「え……無理だよ、今さら」

「……私、ずっと不安だった。織田くんは鈴木さんが好きなんじゃないかって。

学校で話してくれないのは、鈴木さんがいるからじゃないかって」


北原の瞳が、みるみるうちに潤んで。


「織田くん、……私のこと好きって言ってくれたこと……ないし」

「…………」

「鈴木さんと……つき合えばいい」

「な、なに言ってんだよ。オレはべつに柚夏子のことなんて」

「なんとも思ってないなら、返してきて」

「いや、それは……」

「……どうして受け取ったの?」


オレを見つめる瞳から、涙がこぼれた。

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