オレの宝物。それは君の笑顔【完】
「ごめん、これ、やっぱり受け取れない」


自分らしくないと思われても、やっぱりオレは北原と一緒にいたい。


なによりも、北原に見つめられた時の心地よい胸の痛み――。


オレをこんな気持ちにさせられるのは、北原だけ。



――オレは、北原が好きなんだ。



「柚夏子は大事な友達だから。――また、一緒にサッカーやろうぜ」

「……ムリだよ。私はもう、タカのこと、ただの友達だなんて思えない」

「…………」

「それに、これ返しに来たのって、北原さんになんか言われたからでしょ。

私と仲良くしてると、大切なカノジョに、またヤキモチやかれちゃうよ」

「…………」

「……タカ」

「ん?」

「……バイバイ」


寂しそうなつぶやきを残し、柚夏子は家の中に消えた。

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