オレの宝物。それは君の笑顔【完】
家に帰ってすぐ、北原のケータイにかけると、数秒の呼び出し音の後つながった。


「あ、北原? オレ……織田だけど」


機嫌が悪いのだろう、北原は返事をしてくれなかった。


「あの……さっきはごめん。……チョコは返してきたから」

「…………」

「オレが好きなのは、北原だけだから」


しかし、その直後、


ップ、プー、プー――


電話は切られてしまった。


初めて口に出した北原への想い。


それを無視されて茫然としていると、


――プルルルルル、プルルルルル。


北原からメールが届いた。
 

『織田くんなんて、大キライ。もう、私に話しかけないで』


あわてて電話をかけたが、着信拒否。


メールも受信拒否されていた。


オレは、北原に拒否された。


拒否、されてしまった――。

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