オレの宝物。それは君の笑顔【完】
姉ちゃんは可愛くて優しかったので、ものすごくモテた。


だから中学に入る時響子と相談して、姉ちゃんにカレシがいるという噂を流した。


そのうちに響子から、姉ちゃんに好きな男がいるらしい、と聞かされた。


その男のことがなければ剣道部に入るはずだったのだが、中学に入ってオレはサッカー部に入部した。


その男――織田貴文を監視しやすくするために。


その頃の姉ちゃんはとても幸せそうで、とりあえず静観していたが。


オレは織田を信用していなかった。


織田はきっと姉ちゃんを傷つけるに違いない――。


そう思って織田を監視し続けた。




そして、やはり、その時はやって来た。

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