オレの宝物。それは君の笑顔【完】
夕食後、落ち込んだ様子の姉ちゃんは、響子のところへ行ってしまった。


姉ちゃんが夕飯の用意をしている時にこっそり抜き取ったケータイを片手に、オレは部屋のベッドに寝転んでいた。


――リリリリ、リリリリ。


着信音が鳴り出し、


「あ、北原? オレ……織田だけど」


思ったとおり、織田からの電話。


「あの……さっきはごめん。……チョコは返してきたから」


だから、なんだよ。


ヘタレ野郎。


「オレが好きなのは、北原だけだから」


バ~カ。




オレは電話を切った。


そして、着信拒否と受信拒否設定をしてからトドメのメールを送信してやった。

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