オレの宝物。それは君の笑顔【完】
ベストカップル
<貴文>
最悪のバレンタインデーから早くも3日過ぎたが、オレは北原に話しかけることができなかった。
昼休み、オレのクラスと同じ階にある空き教室へ正人に連れて行かれた。
「北原と、仲直りしたら」
誰にも聞かれないように、との正人の配慮だった。
「だって、もう話しかけるなって言われたんだぞ。メールで」
「その時は感情的になっちゃったんだろ」
「……実は昨日も電話したんだけど、拒否されたままだったんだ」
言った瞬間、
「それ、ほんと?」
背後から、加納の声。
「うわあッ」
「わあ」
普段冷静な正人までもが、悲鳴を上げた。
「い、いつの間に」
加納響子――やはり、侮れない女。
最悪のバレンタインデーから早くも3日過ぎたが、オレは北原に話しかけることができなかった。
昼休み、オレのクラスと同じ階にある空き教室へ正人に連れて行かれた。
「北原と、仲直りしたら」
誰にも聞かれないように、との正人の配慮だった。
「だって、もう話しかけるなって言われたんだぞ。メールで」
「その時は感情的になっちゃったんだろ」
「……実は昨日も電話したんだけど、拒否されたままだったんだ」
言った瞬間、
「それ、ほんと?」
背後から、加納の声。
「うわあッ」
「わあ」
普段冷静な正人までもが、悲鳴を上げた。
「い、いつの間に」
加納響子――やはり、侮れない女。