《短編》−純愛−きみがくれたおと【完】
−あすか−


優と駅で待ち合わせした。


駅で私を探している優を見つけた。


優…私服の優も想像以上にかっこいい…。


二人で並んで歩き初めて、


私はいろんな質問を優にした。


でも、優は何も答えてくれなかった。



ストラップお揃いにしようと言ったのに、

ただ笑うだけで次の店へと行ってしまった。



なぜ…?



なんで何も話してくれないの…?



なんで??




私をからかっているの?



騙していたの????




ひどい…




ひど過ぎる…






悲しくて涙が出てきた。






優が近づいてきた。


「どうして何も話してくれないの!どうして!」


泣き顔を見られないように、下をむいた。


その時…




「あ あつあ


おえ みみあ



いおえあいんあ」




「え?」


私は顔をあげた。




優は両耳を両手で押さえながらまた

「みみ

いおえあいんあ」



と言った。



………みみ

きこえないんだ…………




私は優の顔を見ながら



「耳が…



きこえないの…?」



とゆっくり聞いた。


優は私の口の動きをじっと見つめていた。


そして



うなづいた。








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