《短編》−純愛−きみがくれたおと【完】
−あすか−


耳がきこえなかったんだ…


だから初めて声をかけた時、気づいてもらえなかったんだ…



そんな…




どうして…



「どうして!


なんでもっと早く


耳の事



教えてくれなかったの!」


私は優の胸を叩きながら言った。

「どうして!


私が耳の事を知ったら


離れていくとでも思った?


私はそんな女じゃない!」



ゆっくり大きめの声で顔を見て言った。

伝わって…!!優!

「気持ちを伝える手段は
言葉だけじゃない!

優!


耳が聞こえないとか、



うまくしゃべれないとか、


そんなの




私の気持ちを変える原因になんかならない!」


気づくとボロボロ泣いていた。


優はゆっくりうなづいた。


「優の声

好きだよ。


もっと


聞かせて…」




「あつあ…


ういあお…」



…あすか

好きだよ………



「私も優が好き」




私は優に抱き着いた。







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