《短編》−純愛−きみがくれたおと【完】
優…泣かないで…
泣かないで………
どうやったらこの気持ちを伝えられるだろう…
どうやったら……
私は頭を抱えている優をそのまま抱きしめた。
そうするしかわからなかった。
聞こえない事が悔しいの?
それとも聞こえなくて嫌な経験をしたから悔しいの?
優が少し落ち着いた頃、
私は携帯ではなく、
メモ帳にペンで私の気持ちを優の目の前で書いた。
【優の本当の悔しさは私にはわからないかもしれない。
たくさんつらい経験をしたかもしれない。
耳が聞こえたらどんなにいいかと思うかもしれない。
でもそれは違う。
聞こえないから優なんだよ。
聞こえない優で『1』なんだよ。
聞こえないからって『1』からマイナスされることなんかひとつもない。
何も劣ってなんかない。
何か知りたい音があるなら私が全部言葉にして伝えるから。
優の過去の音を
私が
全部
全部
埋めてあげるから。】
私は泣きながら何枚も何枚もメモ帳を使って書いて優に渡した。
優は一粒涙を落とした。
「あいがと…あつか…」
−−−−fin−−−−
泣かないで………
どうやったらこの気持ちを伝えられるだろう…
どうやったら……
私は頭を抱えている優をそのまま抱きしめた。
そうするしかわからなかった。
聞こえない事が悔しいの?
それとも聞こえなくて嫌な経験をしたから悔しいの?
優が少し落ち着いた頃、
私は携帯ではなく、
メモ帳にペンで私の気持ちを優の目の前で書いた。
【優の本当の悔しさは私にはわからないかもしれない。
たくさんつらい経験をしたかもしれない。
耳が聞こえたらどんなにいいかと思うかもしれない。
でもそれは違う。
聞こえないから優なんだよ。
聞こえない優で『1』なんだよ。
聞こえないからって『1』からマイナスされることなんかひとつもない。
何も劣ってなんかない。
何か知りたい音があるなら私が全部言葉にして伝えるから。
優の過去の音を
私が
全部
全部
埋めてあげるから。】
私は泣きながら何枚も何枚もメモ帳を使って書いて優に渡した。
優は一粒涙を落とした。
「あいがと…あつか…」
−−−−fin−−−−