-Whale Boy-③ ホエールボーイ3 中学時代編
「あっ、はる。」

「どうしたんだよ。愛人!」

春己は心配そうに、小山内に近づいた。
「お前水泳部の集まりに行かなくても、良いの。」

「…楽しく無い。」
小山内は悲しそうに 呟いた。
さすがに春己のむしゃくしゃ感も、この時ばかりは沈下した。

「どうしたの。愛人」

「俺中学辞めたい。クラブも正直おもんねぇし。勉強だってくだらんし。連合水泳大会だの、連立方程式だの、be動詞だの、形容詞だの、俺には興味ねぇ。」

「ふっ。」

春己は笑った。

「な、何がおかしいんだよ。さすがのはるでも、こればかりは俺だって怒るぞ。」
愛人は春己の態度に少し憤った。
「なんか、すんげー堅い言葉ばっかり並べて、学校つまんないとか言ってたけど。…だったら何で自分今ここに居るん?」
「そ、それは…」

「お前、本当はどこかで、中学生活諦め切れて無いんじゃ無いかな?なんやかんやで、こないだのテストの点数も俺よか良かったじゃんか。」
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