tell a lie ~大人~
「‥待ってな」
美優希さんは綺麗な青のストレートドレスを持ってきて私に着させた
美優希さんはプロみたいに
私にメイクをし
髪も巻いて
鏡の前に立った
「名前も歳もわかんないけど鏡にうつるあんたは『1人の女の子』でしょ?」
私を強くだきしめた
「体あざだらけ‥」
頬を濡らしている水が涙だと知って
一瞬光が見えた
ふと携帯を見ると
不在着信32件
全部男からだった
もうあんな場所に帰りたくない
久しぶりに涙が出た
「怖いよ助けて」
やっと出た言葉
美優希さんは無言で私の携帯を見て床にたたきつけた