君がいたから、僕がいる

ぼーっと見ていると一瞬だけ目が合った。


(……)


(……くる⑳…)




『次は~名古屋です、おおりの方は~お忘れ物に御注意下さい。』


(あ、下りなきゃ。)


バスケットボールの少年をまた一瞬だけみて止まった電車から下りようとする。
また転ぶといけないから手探りで出口へ向かう………


と、その時



ガタっ

「ぎゃっ…!」


ドサあっ……


柚依の傘がドアの隙間に挟まって

ノックアウト。


と、思ったのもつかの間…

「あれ、痛くない。」
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