キミがスキ
ザッ。
「おおおスゴイ!!
シュート連続で決まってるよ!!」
「まだまだこれからだよ。」
もしかしたら
まえみたいに・・・・・・
ザザ。ザッ。
「北山くんっ。」
「・・・ヘーキ。」
「・・・・ホントは
桜南なんて
来たくなかったよね・・・」
「・・・咲山さん。
いまなにが見えてる?」
「地面だよね。」
そう言った北山くんは
ゴールに向かってシュートした。その時私の前には
綺麗な空が目に入った。
「・・・俺ね。
講専高のスポーツ推薦
ダメになってつらかったけど・・・」
「ここには咲山さんがいて、
茂木先生もいて。
千葉とかいろんな仲間に
出会って思ったんだ。」
「桜南ならやって
いけるかもって。」
「下ばっか向いてても
しょうがないって。」
「いまの俺を
見てほしかった。」
「つまずいたって
いつかは立ちあがるんだから。」
「気にしなくていいんだよ。」
「だからもっと顔上げて。」
「俺はもう空を見てるから。」
そう言った彼の目は
とても優しかった。