ほわいとちょこれいと



寝間着のまま、抱きしめられる。

どうでもいいけどこの人の頭の中には、着替えるという選択肢はないのかしら。

ピントのズレた思考を必死に頭の隅に追いやっていたら、もう涙は止まっていた。

誤解が誤解を生む。

抱きしめたから泣き止んだと思ったんでしょ?

違うんだから。

きっと、なんで泣いたのかもわかってない。

額に当たる彼の肩を押して、顔をあげた。

なんだかよく少女マンガに出てくるような、逆三角形を描く体制になってしまった。

今度は私からキスを送る。

キスをしながら、膝に乗せてあるカバンに手を伸ばす。


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