スキ
『ワンコールや2コールで出たら、待ってたのバレバレでしょ?』
って、恥ずかしそうに言っていたあいつの声が、今でも耳の奥に残ってる……。
繋がった携帯の向こう側からは
『……もしもし』
不安げに震えた声が聞こえてきた。
毎日聞いてきた、あいつの頼りなげな声。
──ほつれたボタンが縫い直されたように。
──切れた糸も、結び直せたら……。
「……俺」
今度は俺が。
『……うん』
2度と切れる事のないように、しっかりと。
「……レストラン……行かないか?」
『……』
「あのワンピース着て……さ」
『……』
「俺も、オーダーしたスーツ着て、キメてくから」
『……』
許されるのなら、もう1度。
ここから、始めよう。
「愛してる」
電話の向こうで、あいつの啜り泣く声が聞こえた。
って、恥ずかしそうに言っていたあいつの声が、今でも耳の奥に残ってる……。
繋がった携帯の向こう側からは
『……もしもし』
不安げに震えた声が聞こえてきた。
毎日聞いてきた、あいつの頼りなげな声。
──ほつれたボタンが縫い直されたように。
──切れた糸も、結び直せたら……。
「……俺」
今度は俺が。
『……うん』
2度と切れる事のないように、しっかりと。
「……レストラン……行かないか?」
『……』
「あのワンピース着て……さ」
『……』
「俺も、オーダーしたスーツ着て、キメてくから」
『……』
許されるのなら、もう1度。
ここから、始めよう。
「愛してる」
電話の向こうで、あいつの啜り泣く声が聞こえた。