時の砂
僕たちは……

桃は平然と刀を振り下ろした。

目の前の大男は大木のように崩れ、その返り血が桃の白肌を紅く染め上げた。

「チョロいよ、おっさん」

桃は含み笑いを浮かべ、舌をペロリと出した。


「お前のその顔、怖いくらいに綺麗だよ」

大河(タイガ)は桃の耳元に唇をあてがった。

その幼い顔とは裏腹に、無造作におでこに巻かれた黒いバンダナから獣じみた目をぎらつかせ、血の匂いを漂わせる大河(タイガ)。

「宝はちょうだいしたし、我が家に帰ろうぜ」

「我が家?……一体どれが?」

冷めた笑みを浮かべた桃を、大河はなるたけ優しく抱きしめた。

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