時の砂
深い山奥の暗い穴蔵。
中は、桃や大河とさほど変わらないくらいの年の子供達で埋めつくされていた。
「大河達が帰ってきたぁ!!」
人気者の大河の周りを、ハイエナのように取り囲む子供達。
うんざりする。
これが《我が家》? この無法地帯が?
「ねぇ今日は何を奪ってきたの?」
「なんだぁ、金かよ。ご飯は?ないの?」
桃はハイエナ達の手を振り払った。
「働かざる者食うべからずだ」
冷たい眼差しを浮かべた桃は、遠くから注がれる視線に気づき舌打ちをした。
「やっぱり綺麗だな、桃は」
「一度くらいお願いしたいぜ」
うんざりする。
ここは、《盗賊》とは名ばかりのハイエナじみたヘタレの巣だ。