時の砂

◇◆◇◆

桃は藁の寝床に横になり、低い天井を見つめていた。

物思いに更ける桃を、少し離れた場所からニヤついた男達が眺めている。


薄暗いその場所でも隠せないほどの澄んだ肌の白。

名の由来となったらしい、桃色の柔らかな長い髪。

同色の桃色の短い丈の着物から覗く、細く長いおみ足。

潤んだ鮮やかな水色の瞳。ぷっくりと膨らんだ唇。

男達が妄想にふけってそわそわし始めた頃、足音を立てずに近寄ってきた大河が、鋭い眼光で男達を睨み付けた。


大河は桃の傍でコンッと舌を鳴らす。

桃は我に返ったように、驚いた表情で大河を見上げた。

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