《短編》幼馴染のその後に
『…美咲さぁ、何でいっつも勝手に入って来るんだよ?』
「だからあたし、いっつも“勝手に入るよ”って声掛けてから入ってるじゃん。」
あたしの言葉に、彼は相変わらず口元を引き攣らせたまま。
昔は可愛かったのに、今は見る影もないことが悲しい。
「タケル、明日の数学の課題写させてよ。」
『…絶対嫌。』
「…即答ですか。」
彼こと“タケル”は、幼馴染。
ココがあたしの“第二の我が家”である理由は、昔からタケルと一緒に育ったようなもんだからだ。
ついでに言えば、それは現在進行形なわけで。
同じ高校で、ついでに同じクラスでもある。
『てゆーかお前、ちょっとは考えろよ!』
「…何が?」
ベッドに寝転がり足をバタつかせていたあたしに、タケルは顔を覗き込むようにして睨む。
だけどあたしは、言われた意味もわからないまま、その顔を見上げた。
『…ありえねぇ。』
ポツリと呟くその顔は、余計にあたしの頭にハテナマークを増やすことになって。
だけど次に言われた台詞に、耳を疑った。
『…二人っきりで居て、何も起きないと思ってんの?』
瞬間、あたしはブハッと声を上げて笑った。
今更、何を言っているのだろう。
起きるわけがないから、あたしはココに居るのだ。
「…何言っちゃってんの?」
必死で笑いを堪え、タケルを指差して噴き出しそうになる口元を押さえた。
だけど怒った顔のままのタケルは突然、あたしの腕を掴んだ。
「だからあたし、いっつも“勝手に入るよ”って声掛けてから入ってるじゃん。」
あたしの言葉に、彼は相変わらず口元を引き攣らせたまま。
昔は可愛かったのに、今は見る影もないことが悲しい。
「タケル、明日の数学の課題写させてよ。」
『…絶対嫌。』
「…即答ですか。」
彼こと“タケル”は、幼馴染。
ココがあたしの“第二の我が家”である理由は、昔からタケルと一緒に育ったようなもんだからだ。
ついでに言えば、それは現在進行形なわけで。
同じ高校で、ついでに同じクラスでもある。
『てゆーかお前、ちょっとは考えろよ!』
「…何が?」
ベッドに寝転がり足をバタつかせていたあたしに、タケルは顔を覗き込むようにして睨む。
だけどあたしは、言われた意味もわからないまま、その顔を見上げた。
『…ありえねぇ。』
ポツリと呟くその顔は、余計にあたしの頭にハテナマークを増やすことになって。
だけど次に言われた台詞に、耳を疑った。
『…二人っきりで居て、何も起きないと思ってんの?』
瞬間、あたしはブハッと声を上げて笑った。
今更、何を言っているのだろう。
起きるわけがないから、あたしはココに居るのだ。
「…何言っちゃってんの?」
必死で笑いを堪え、タケルを指差して噴き出しそうになる口元を押さえた。
だけど怒った顔のままのタケルは突然、あたしの腕を掴んだ。