《短編》幼馴染のその後に
『…美咲、他に何か隠してない?』


「―――ッ!」


本当に、さすがは親友だ。


だけどあたしは、口が裂けたって言えないんだ。



『…もしかして、タケルと既に何かやってたりして。』


「―――ッ!」


ププッと笑った七海に、瞬間、心臓が止まったのかと思うほど驚いた。


これはもぉ、“さすがは親友☆”なんて言ってる場合じゃない。



何で知ってるんですかー?!


まさにあたしは、パニックってやつで。



「な、な、な、何で…そう思うの…?」


『…その態度は、ビンゴですな?』


「―――ッ!」



ギャー!!


あたしは馬鹿か?!


馬鹿なのかー!!



『…結衣には言わないから、あたしにだけは話してみなよ。』


「…でも…」


ため息をついて言う七海に、あたしは戸惑うことしか出来なくて。


これじゃ、友情が壊れちゃう。



『…わかってるでしょ?あたしが口が堅いの。
あたしはどっちとも親友だから、壊すようなことはしないって!』


念を押すように言う七海に、諦めて口を開いた。


ここまでバレてて、よもや隠し通せるとは思わない。



「…実は結衣とタケルが付き合う日の前の晩、タケルにキスされたの…。」



言った。


言ってしまったよー!!



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